井戸端すうがくかいぎ-番外編(小選挙区制の数理)
さて, 本編では比例区の話をしましたが, 今日はもう一つの選挙制度を数学で解いてみたいと思います.
ネタ素は以前ここでも紹介した"こんなに役立つ数学入門"です.
小選挙区制とはご存じの通り, その選挙区で当選する人が一人だけという選挙の方法です.
当然, 次点以降の人は当選できません(日本の選挙制度は複雑で比例区との重複立候補が認められているので, 今回の話が一概に成り立ちません).
つまり, 死票が多くなってしまいます.
そこで, 今日はこの小選挙区制度における得票率と議席の獲得率の関係について数学的にどうなっているかを見てみようと思います.
当然得票率が高ければ, 議席獲得率もたかくなるということは分かるかと思いますが, この関係は線形(つまり, 得票率 = 定数 × 議席率)の関係ではありません.
結論から言いますと, 議席率を s, 得票率を v とすると,
s / (1-s) = (v / (1-v) )^3
となります.
何故こうなるのか?
これはイギリスでの選挙における経験則によるものです.
数学的な論理的な根拠は全くありません.
ただ, 長年データを集めてみて, 式の上に載せたら, この式が一番ぴったりしたというだけの話です.
果たしてこんなものが万国共通で役に立つのかと言われると, やはり役に立たない場合もあります.
昨年行われた日本の衆議院選挙では,
s / (1-s) = (v / (1-v) )^5
になったようです.
これは, v の肩の数字(冪乗の数字)が大きくなるに従って, 選挙区間でのばらつきが小さくなるということを意味しているのです.
これは上式の 5 を n に変えて, s について解き, それについての分散を計算すれば分かります(もう少し簡単に理解するには "5" をいろいろ変えて見て(2, 3, 4, 5, 6....), 横軸に v, 縦軸に s を書くと visual 的に分かります).
では, 選挙区間のばらつきが小さくなるとはどういうことかと言うと, ほとんどの選挙区において, ほとんど同一の政党に入れたことを意味します.
確かに前回の衆議院選挙では, 郵政民営化 Yes or No を問うた選挙だったため, それに対して Yes と応えた人が多かったという事実にマッチします.
先にも言ったように, この関係は経験則に基づいているため, 全ての選挙で同じような関係が成り立つわけではありません.
経済などの計量分析においてもこのような方法(パラメータマッチング)がよく用いられますが, 汎用性がかけています.
これから参議院選挙ですが, 数学を使って選挙を見てみると, いつもと違った感じで選挙を楽しむことができるのではないでしょうか?
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